木の香る生活:木造家屋

Rei Watanabe Rei Watanabe
wooden forest apartement, 池田雪絵大野俊治 一級建築士事務所 池田雪絵大野俊治 一級建築士事務所 Phòng khách phong cách chiết trung
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日本では伝統的な家屋はもちろんのこと、様々な建築技法や人工素材が発達した今日も、多くの住宅が木造です。これは湿気の多い日本の風土に、木材がそのメリットを発揮することのみならず、強度・断熱性においても木材が他の建築材よりも優れているからです。自然素材による建築は環境への負担が少ないことはあまり知られていませんが、そこに暮らす人々の健康に優しいことは誰もが経験的に気が付いていることです。木の温もり・柔らかさは、視覚・触覚などの五感を通じて、そこに住む人々を癒します。そういった木造家屋の良さが感じられる和風の家を中心に10件選びました。

時の流れが生む深み

木造建築の耐久性を示す美しい梁です。松本匡弘建築設計事務所による古民家リノベーションでは、元々あった柱や梁を敢えて見せることで、モダンな空間に重厚さを加えています。柱や梁の、時間が作り出した色味は、現代の技術をもっても再現出来るものではありません。本物だけが持つ味わい、その深みに時の流れを意識せずにはいられません。このような木材に囲まれる暮らしには、あくせくした外の世界より、ゆったりと時間が流れるでしょう。

まっすぐで明るい廊下

エルイーオー設計室によるこちらの家は、柱、床などの構造部分のみならず、腰壁、天井などの内装まで、至る所に木目の美しさを見ることが出来ます。一文字葺きの屋根に沿ってまっすぐ長く伸びた廊下は、庭に面しており、風通しがよく明るい造りになっています。こんなにまっすぐな廊下を見ると久々に張り切って、雑巾がけをしたくなってしまいますね。

縁側のある新築家屋

日本家屋の良さは色々ありますが、コミュニケーションの場として、これほど優れた場所は他に無いでしょう。縁側です。ちょっとした来客、家族と夕涼み、内でも外でもない場所では、他人とも家族とも、丁度いい距離感で会話をすることが出来ます。近所の人とも、立ち話よりは落ち着いて情報交換出来ますし、家族とは意外と普段より腹を割った話が出来たりもします。現代人が失ってしまったものは、縁側のような中ぐらいの居場所かもしれません。三宅和彦/ミヤケ設計事務所による木造家屋です。

堅格子の外廊下

こちらは株式会社SEKI.DESIGNによる平屋の日本建築です。軒下のスペースを利用した外廊下は木製の竪格子で外部と仕切られています。これは簾のように、外からの目隠しとなりながら、内からは外を眺めることができ、日差しと風雨の差し込みを調整します。壁と地面の平面に光と影の織りなす線が直線的な視線の先に、ヤマボウシの緑が柔らかく映えます。

夢の詰まった家

KAZ建築研究室の大胆な発想は、屋根に芝生を敷き詰めました。芝生に寝転んで夜空を眺めるという贅沢が自宅から徒歩0分の場所にあります。芝生は寝転んで楽しいだけでなく、外観も美しく、断熱材の役割も果たしています。この家の個性的なのは何も屋根ばかりではなく、外に大きくはり出した梁、コンクリートの土間、特注された暖炉などが設置されています。山小屋に遊びにきたような平屋の木造家屋で子供たちはのびのびと育つでしょう。

レトロモダンな家

Ephemeral House, NAAD NAAD Phòng khách phong cách châu Á

こちらのNAADによる、住宅再生プロジェクトは、今は滅多に見ることが出来なくなった昭和風のアパートを改築したものです。古い階段や柱を見つめていれば、そこに暮らした様々な人々の数えきれないストーリーが思い浮かんでくるようです。間仕切りはスッキリと取り外し、大きな空間に仕上げました。床・壁・天井の全てが木材で統一されています。水中から空を見上げたような美しい木目が特徴的です。

クスノキを囲む段々の部屋

宮武淳夫+アルファ設計によるこちらの家は、美しいだけでなく楽しいものになっています。しかも生活にとって機能的で、採光と土地利用において合理的です。限られた面積の変形地であることを逆手に取って、とてもユニークな空間に仕上げています。それぞれの生活空間が独自のスペースを持ちながらも、分断されず重なり合っています。吹き抜けで繋がった上層部や階段、子供部屋ロフト部分など、木材の質感が幾何学的なラインに温もりを与えます。子供部屋層と寝室層を補強する柱部分は、樹木本来の丸い形を生かした素材が使われており、家の前の大きなクスノキと連なる木立のようです。

写真:岡田大次郎

伝統と周辺環境を取り込む家

こちらの家は近辺環境といい広さといい、そもそもの条件からして素晴らしいものですから、誰もがまね出来るものではありませんが、可動式の間仕切りや奥に連なる部屋の構造など、誰もが参考にしたくなるアイデアが詰まっています。森下新宮建築設計事務所/MRSN ARCHITECTS OFFICEは、日本古来のイエの在り方に配慮しながら、周辺環境を取り入れた生活の場を作り出しました。

本来の素材を生かしたモダンアートのような部屋

池田雪絵建築設計事務所は、本来あった複数の柱をあえて見せることで、モダンな空間を作り出すことに成功しています。真っ白な空間と深みのある古い柱による部屋は、それ自体が一つの芸術作品のようです。規則と不規則、静と動、冷たさと温もりが共存する異空間は、住む人に新しいアイデアを与えてくれそうです。真っ白な空間で時間が止まったようなひとときを過ごしていれば、ふと、白い床に映る複数の柱の影が、時刻の移り変わりを優しく伝えてくれるでしょう。

裸足で生活したくなる家

株式会社住まいずのこちらの家は、写真を見ているだけで、杉の香りが漂ってくるようです。鹿児島産の杉を用いた床板は木材の柔らかい部分を磨き込むことでへこませる処置がさ施されています。木材というのは時間が経つにつれ、また使用される程に、味わいが増すものです。そこに暮らす人々と同じように少しづつ変化していく木材は、10年後、20年後にどのような色味を見せるのか、今から楽しみですね。リビングダイニングはそのままと同じ高さでテラス部分へと続いています。テラスに掛かる紅葉が赤く染まり葉を落とした時、リビングの方までひらりと舞い込んでくるかもしれません。

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