薪ストーブのゆらめく炎を見ながら、独特の木の香りに包まれてゆったりとお部屋で過ごす時間は贅沢ですね。ほんの少しでも薪ストーブのことが頭をよぎったら、まずは設置場所や条件を少し調べておくと良いでしょう。熱効率やメンテナンス、設置場所条件などを少し知っておきましょう。今回は、薪ストーブの設置条件などをご紹介していきます。
薪ストーブには、空気を換気するためのファンがありません。空気の温度差によって生まれる上昇気流を利用してに自然排煙させ、薪ストーブ内に空気を取り込むのを促し木をよく燃やし部屋を暖めます。こちらは、室内と庭に連続性を持たせ庭の気配や通風を遮らない場所に設置されています。また、シンプルな切妻屋根は煙突を直線的に配置でき、煙突上部の空気ドラフト効率も良くなります。
撮影:明 直樹
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薪ストーブの煙突は、熱が上昇する原理を活かしたシステムです。「なぜこんな場所に?」と配置場所について不思議に思うかもしれませんが、煙が効率よく上がって速く空気ドラフトできるよう煙突を出来るだけ直線的に設置する場所が理想だと言われています。真っ直ぐ延ばせないと、煤が溜まり易くなったり、煙の逆流がおきたりなど問題が起き易くなります。直線に煙突が延ばせる場所は、使用する部材や変更箇所も少なくなり、設置に余計なお金もかかりません。
薪ストーブ設置のために、例えば土間を広めにとったり、または高さを低くしたり、床をタイルにしたりといった工夫をしましょう。木の運び込みもしやすく、また灰や木っ端などの汚れも気にしなくてもよくなります。また掃除も楽に済みますね。後から土間の壁際に設置を考えている場合は、耐熱処理も忘れずに確認しておくと良いでしょう。
【薪ストーブについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています】
リビング・ダイニング・キッチンが一続きになった大きな間取りで、空間全体を温めたい場合は、どこから見ても遮るもののない場所に設置しましょう。また周りには何も置かないスペースとして確保しておいたり、動線の妨げにならないことを確認しておく必要があります。もし、リビング・ダイニングに吹き抜けがある場合は、建物の中で自然な空気の循環ができるよう暖気をシーリングファンやサーキュレーターを設置しおくと熱の循環効率がよくなります。
こちらのように、お部屋の中心に置けば360度の全方位に熱が伝わりやすくなり、空間全体を温めてくれます。ただ、部屋の動線や間取りによっては使い勝手が良くなくなることも。こちらは広々としたリビングダイニング空間をゾーニングするように配置されており、またモダンなデザインを選んでいるので後ろから見てもエレガントな印象に仕上がっています。
クレジット: 金子建築写真室