木材を豊富に使用した家は、天然素材である木が持つ独特の温かみが強調された家庭的で大らかな印象の住宅となります。木材をメインに使用すれば、素朴でナチュラルなラスティックスタイルやカントリースタイルを再現することは容易ですが、モダンスタイルはどうでしょうか?木材をたっぷり使用しつつも、モダンなエッジが効いたスタイリッシュなファサードの作り方を紹介します!
木材の温かみは残しつつ、ファサードを見た人にインパクトを与えるようなモダンなセンスを表現したい場合におすすめなのが、木材とガラスの組み合わせです。ガラスならどんな家でも窓に使用しているけど?というレベルでは足りません。理想的にはこちらの住宅のように正面外観のほぼ全面、二階の天井まですべてがガラスの開口部という大胆で開放的なデザイン。金属は最小限に、ほぼ木材とガラスのみで形成されているかのような印象的なインパクトを与えます。モダンでありながら周囲の緑豊かな環境にも馴染み、記憶に残るモダンなファサードです。
木材と石材の組み合わせもおすすめです。こちらの住宅は明るい色の木材に黒に近い暗い色味の石材を合わせ、強いコントラストを作ることでメリハリのある鮮やかな印象のファサードとなっています。全体をすっきりまとめているのは外周を囲うようなライン状の白。木材と石材の組み合わせによるファサードデザインで気を付けたいのは、直線や直角のラインをキープすること。このラインが崩れるとラスティックな印象になってしまいます。
木材とコンクリートという一見相容れない素材同士を組み合わせ、ギャップを生むのがモダンな印象を作るテクニックです。こちらは岐阜市に拠点を置き活動するkeitaro MutoArchitectsによる住宅。無機質なコンクリート部分はミニマルなデザインに、対して鮮やかなレッドシダーが使用された屋根はアシンメトリーで大胆なデザインとすることで、素材および形状にギャップのあるコンテンポラリーなファサードとなりました。
木は自然物ですから本来は曲線で構成されています。しかしモダンなファサードを作りたいのなら、なだらかなラインや柔らかなカーブは排除して水平や垂直のラインを意識して下さい。特にこちらの外観のようにキューブを組み合わせたようなゲオマティックな構成は、直線とボリューム感を強調して洗練されたモダンな印象を作ります。
木材のナチュラルな色調をそのまま生かすのがラスティックスタイルや北欧スタイル。対してモダンスタイルにおいては天然素材の木材と言えど、より現代的で都会的なエッジを効かせたいところ。それは色で表現できます。焼き杉に代表される黒い木材を使用した外壁は、木の持つ豊かな質感はそのままに深みのある黒が独特の存在感を放ち、印象的なファサードとなります。こちらのように白と組み合わせればモノトーンのスタイリッシュなファサードが完成。
開口部の少ない閉じたファサードは、人通りの多い道路に面した敷地や住宅密集地に立つ住宅でも住み手のプライバシーや安全を確保することが可能です。こちらの住宅の正面一階部分はガレージシャッターと玄関ドア以外すべて閉じられたデザイン。木材が全面に使用されているので堅牢ですが圧迫感無く、変形した形状も相まってとてもモダンなファサードとなっています。