階段を家のわき役のように普段何気なく使っていますが、そんな階段のデザインや種類は様々です。カタチや素材にこだわることでインテリアの一部となり、魅力的な居住空間をデザインすることが出来ます。今回は、そんな階段のデザイン性が魅力的なおしゃれな家を紹介していきます。
階段デザインをインテリアの一部にしたリビング階段のある間取りは、近年人気の住まいの間取りです。選ぶデザインによって印象もガラリと変わります。こちらのLDKは、キッチン床とリビング床をスキップフロアで緩やかに分けた開放的に。リビング階段の段板とキッチンから続く廊下部分に同素材の木材が用いられているので空間に一体感が生まれています。
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※ 家の写真ページ
外壁の局面に沿ってスチールながら柔らかく曲面させたスケルトン階段が印象的なこちらのLDK。リフォーム以前は広いばかりで居心地が悪かった空間は、家族が一緒に集い易いように改修され、LDKからゆったりと伸びる曲面リビング階段によっておしゃれなアクセントが加えられています。段板に使用する木材は経年の色も含め検討し、少し赤みの出る材種を中心に統一感が考えられています。
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こちらの住まいの階段デザインは、通路であり、棚であり、デスクであり、居場所でも住まいの中心的な場所として機能します。上り下りする度に、まるで棚の森の中を立体的に潜り抜けるような景色が広がります。靴や洗面雑貨、洗濯用品の収納だけでなく、飾り棚としても活躍。棚と同時に、小さな子供たちにとっては書斎ともなります。段板はやわらかいパイン材から作られ、スリットから落ちてくるやわらかい光は木漏れ日をつくり居心地のいい場所になります。
クレジット: 写真撮影:矢野紀行、他1名
【住まいについては、こちらの記事でも紹介しています】
こちらは都心の厳しい住宅密集地に建つ小住宅。螺旋階段デザインはダイナミックなインパクトをつくるだけでなく、通常よりもスペースを取らないので小住宅には最適です。段板はスケルトンを選ぶことによって、最上部から階下に採光がいきわたり明るい室内をつくります。
こちらは、傾斜天井を利用したロフト収納に続く箪笥階段。狭い居住空間を少しでも広く使える工夫として江戸時代の町屋などで生まれ、機能性と造形美の両方を備え今でも人気があります。可動式のものもあり、現代の日本の住まいでも活躍します。
こちらは各階の高さをずらして中間階をつくったスキップフロアの間取りの家。縦の空間を有効に使うことができ、また空間にリズム感が生まれ、実際より広く感じます。両側に設置された直階段はデザインし易いのがメリット、こちらはモノトーンのスチール素材で白い空間にアクセントを加えます。クレジット: Photo by Yohei Sasakura
定番の玄関正面に配置される独立タイプは、ホール階段とも呼ばれリビングを経由せず上階に向かえる設計です。家族が行き来する中心的な場所になることから、こちらの住まいはゆとりあるスペースとして広さがとられ、飾り棚としても活用できるので住まい手らしさを玄関先に演出することが出来ます。
階段には二つのタイプがあります。一つはこちらのような箱型、もう一方はオープン型と呼ばれます。箱型は段板と蹴上げで構成された箱状の定番デザインで安定感があり、また下スペースに収納スペース等を設置できるなど空間活用にも役立ちます。
オープン型はスケルトンまたはスケルトンとも呼ばれ、蹴上げ部分のないタイプです。箱型タイプとは違い向こう側が見える構造なので空間の奥行きや開放感を得られるのがメリットです。段板と段板の間に隙間があるので光や風も効率よく通します。
こちらは大きな吹き抜け空間が印象的な住まい。箱型タイプからオープン型の折り返し階段に変わるユニークなデザインがLDKの中心に設けられています。このオープン型は視線を遮ることがない一方で、リビングとダイニングをゆるやかに仕切る役割も果たしているのもポイントです。
暗くなりがちな階段や廊下には明るい色を用いるのが定番ですが、こちらは壁の一部をボルドーにすることによってカタチが際立ち造形的な美しさが空間に生まれています。壁色を少し工夫するだけでも空間に変化が生まれスタイリッシュに見えますね。
細長いスペースに段板のみでつくられたミニマルな階段のデザインは、白と黒のコントラスでよりスタイリッシュに。上部からのスッキリとした照明と共に向こう側の空間が覗き見え、ミニマルな中にどこか幻想的な印象も生まれています。
無垢の木肌と塗り壁のコントラストが爽やかな空間には、より吹き抜けと広がりを演出するこちらのようなスケルトン仕様のリビング階段がピッタリ。オープン型に欠かすことのできない手すりは、金属素材を組み合わせることで天井の美しい木組み構造や段板の木材の柔らかみをより惹き立てます。
吹抜の階段に面して壁一面に本棚と書斎コーナーが設けられた住まい。上下階を行き来するだけの機能に、収納やデスクスペースをプラスすことで脇役だった場所がぐっと空間の中心的な役割を果たします。デッドスペースになりがちな大きな吹き抜けの壁面を収納場所として効率よく利用できるものも嬉しいですね。
こちらはこの住宅のためだけにデザインされた階段。本棚と段板を一体化することで存在が空間に馴染み圧迫感を感じることがありません。足元のカーブや鉄製の補強材などの何気ない部分に美意識が現れておりインテリアとしても空間にアクセントを加えています。