個性的な家のデザインは、そのそばを通る人々にとってとても目を引くもの。住む人にとっては家の中の使い勝手の方が重要視されがちであるかもしれませんが、それ以外の圧倒的多数の人はその外観にしか縁がないため、自然とその見た目に注目が集まります。個性的な家の形は、その町並みに変化や楽しさを加えてくれるスパイスのような役割を果たしてくれ、通りがかった人の目を楽しませてくれます。そんな一目で気になる個性的な家たち、集めてみました。
一般的でよく見かける屋根の形に切り妻屋根。一見、角度によっては切妻屋根かのようにみえるこちらの個性的な家は、実は三つの棟が連なった形でできています。窓の開口部以外は斜めのラインを多用しているこちらのお宅は、土岐建築デザイン事務所の手によるもの。それぞれ高さの異なる棟で構成されており、部屋から連なるテラスが3つもある、開放的な家になっています。リビングとダイニングの間には薪ストーブが設置されていて、外からもレバーかボタンかのような形の煙突が見て取れ、外観にアクセントを添えています。
かわってこちらは箱型が組み合わさったかのような不思議な形の黒い家。敷地に対して少し斜めに配置された建物のファサードには窓らしきものがまったく見当たりません。箱状の構造の重なり合う部分からは植物が顔をのぞかせており、中庭か吹き抜け空間があることが想像できますが、それ以外は謎の多角形の黒い建物、という雰囲気。アーティスティックなギャラリーともとられそうな個性的な家は、住む人にとって開放的な、中庭とガラスを多用した明るい空間になっています。外観からは想像もできませんね!
こちらも箱型のですが、白いキューブ状の家。地上二階地下一階の立方体の個性的な家には、二階スペースの一部に細長いスリットが入っていて白壁に映える木製の壁面が印象的です。左側のスリットにはヴァーティカルガーデンが施されている様子が見て取れます。ポルトガルの別荘地に建つこちらの家は周囲にはまだ空き地があるとはいえ、近いうちに建て込んでくることを見越し、二階部分のプライバシーを確保するためにこのような形の開口部を設置したのだとか。機能的なデザインのようです。
一度見たら忘れられない個性的な家とはこちらのお宅のことでは?高さ2メートル弱の平たい箱型のベースメントに温室を思わせるような小屋が三つ建ち並んでいます。そのうちの二つは採光の役割を果たしているため、ポリカーボネイトの波板が使われており、一つは実際にサンルームとして使われています。ベースメントの屋根の部分は、テラスとして使用可能でいくつものベンチが設置されていて、大勢の人と集うことも可能。内装は白と木調を基調としていて、外観以上にくつろげる雰囲気になっています。
Photo: Kenichi Suzuki
箱型の建物に二つの家型の構造が突き刺さっているかのような印象のこちらのお宅。実は二世帯住宅、と聞いて、なるほど!と膝を打つ方もいらっしゃるのでは?二つの家型が箱型の構造と組み合わさることによって成り立つこの家は、二世帯という別々の家族が、個々にスペースを持ちながらも支え合いながらうまくやっていくことを象徴しているようです。白と黒のファサードに木目のアクセントが暖かさを感じさせてくれますね。